第15話
side ???
「なぁ、」
冬華さんに話しかけられて見上げれば、ドキリとするほどの艶のある目とかち合った。
「どっちがいい?」
「え?」
冬華さんを纏ってる雰囲気のせいか、なんだか甘い、いい匂いがそうさせるのかは分からないけど、ナンパ男にしておくのは勿体ないほど、冬華さんはとても綺麗な男の人だった。
なんでこんな田舎で私みたいなのをナンパしてるのか理解できないほど。
動くたびにサラリと頬にかかる前髪。ドキリとするほど綺麗な笑み。ベンチを照らす街灯がまるでこの人を照らすためにあるかのように見えてしまうほど、私に向いている綺麗な瞳を見つめ返してしまう。
まるで、王子様、みたい。なんて思ったのに……
「警察に通報と、一か八かで俺についてくんの。」
「……。」
脅し方が、えげつない。
一気に目が覚めて、ポカンと口を開けてしまう。
「俺についてくれば、何もしないって保証してやる。でもそれが信じられなくて俺から逃げるんなら、警察に通報してあげよう。どう?」
「どうって……、」
冬華さんの視線が、私のカバンに向く。修学旅行で1度だけ使ったことのあるそれを見て、どうやら私が家に帰れない事情があることを読み取られたらしい。
……最悪。
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