第40話

雫は義務、俺は…正反対の俺たちの身体は重なり合い……



「っっ、ひ、」



雫を貫いた瞬間、彼女の悲鳴が俺の胸を抉った。こいつとの距離が更に広がるのが分かったからだ。



「ん、あっ、ぁ、う、」



揺さぶる度、雫の美しい身体は艶めかしく動き、俺の理性を突き崩していく。



「あ、」


小さく声を吐き出して、雫はその身体にだんだんと熱を帯び始める。



気持ちはそうでなくとも、俺に反応を見せる、女としての身体。


今はそれだけでも、雫が答えてくれたみたいで嬉しかった。




室内に響くのは、俺と雫が今、一つになっているという証。それに合わせるように、雫が声を挙げる。



「もっと、聞かせろ。」


「っっ、」



耳元で囁けば、俺を縛るように、締め付けが強くなる。



嗚呼、どうしてしまおうか。



「あっ、あ、あ、っ、」



心は苦しいのに、雫の澄んだ目に自分の獰猛な目が映るだけで、雫が涙を流すだけで……



男として、歓喜する。



何度も、何度も、腰を打ち付け、何度も雫の中で果てれば、女の性は、限界なく男を受け入れ続ける。



俺の匂いは内部から雫の身体に吸収され、名実ともにこいつは、俺だけのもの。



最低なことをしているのに、気分は最高に良かった。

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