第5話

それに習えば私は次点、ということで家にいなければいけないんだけど。


お姉さまがあそこまで、完璧で、後顧の憂いが全くない、となると、婚姻後に執り行われるはずの”コレ”は早まる。



”コレ”とは。


”次女”は婚礼の儀が済み次第、家を出、独立する。なんて決まり事。



どうやらそれは、独立という名の力を奪う行為みたい。



京極家の当主の妻という座は、この世の全てを手に入れたようなもの。当主様に愛されれば愛されるほど、幸せになれる場所。


これまで、沖田・恩田の次女たちはそれを仰ぎ見ているだけだった。



そして事例としては、長女である姐を殺して自分がそこに納まった人がいた。


京極家の許嫁として家が守られている沖田・恩田家は、そこそこ権力もある。そこの次女という立場を利用して、犯行を企てる者は少なくなかったそう。


中にはそれが成功した人もいたから……



だからか、次女は婚姻が決まり次第、家を出されて一般人として生きることを課される。しかも監視の目付きで、結婚も独断では許されない。



なんとも寂しい人生だと苦笑いしか出ない。

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