第4話
『何かあるかもしれないじゃない?』
そう言って本当の付き人のようにお姉さまについて行ってしまったお母さまから……
リンロン♪[用事はもうないから、帰ってもいいわ。]
「……。」
すぐさまこうやって、不必要とされる。
「はぁ、」
ため息を吐いた私は、ホテルを後にした。
タクシーを呼んで、乗り込む。
「すみません、○○まで。」
「はい。」
言った場所は、私がこれから住むべき場所。
沖田家を出された後に、住むことになっている町だった。
京極家の決まり事は、妻を沖田か恩田から娶る、ということだけ。だけどそれに従う沖田と恩田には、たくさん決まりがある。
”沖田・恩田の女は、習い事をしなければならない。”
まぁ、嫁ぐ訳だから当主様の身の回りことをできないのは問題だから分かる。
”沖田・恩田の当主は娘は2人、息子は1人、必ず計3人を作らなければならない。”
近親を防ぐため、交互に交わされる婚姻。それはつまり、沖田の娘が嫁げなければ、恩田で変わりは利かないということ。
だから必然的に、次女は次点として、長男は家のために娘を生むことが義務付けられた。
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