第46話

side 冬陽





撮影当日。家の中は人の出入りが激しくて騒がしかった。



ハンディカメラより少し大きいくらいのカメラでインタビュアーの人が雀にインタビューするだけだと思っていた私。なのに太い電線まで引いて設置するカメラが2台もあるのにびっくり。



秋穂さんの話では、私の存在は明かすものの、写すのはNG、私本人への取材もNGにしてあるとのこと。



お茶出ししたり相手をしなくていいから、なるべく部屋から出ないで欲しいと言われていた。



そんなこと言われなくても、出て行く勇気なんてない。



私の存在が雪花の人気に影響するんじゃないかという懸念は捨てきれていないのだから。



部屋のドア越しに聞こえるのは、たくさんの人の気配。落ち着かない。



インターフォンが鳴って以来、雀の顔も見れていないし、なんだか同じ家の中にいるのに私だけ別の場所にいるようだった。



コンコン。



「っっ、はいっ。」



そんな時、突然部屋のドアがノックされて。心ここにあらずで今だ真っ白なスケッチブックを驚きの余り叩きつけて、立ち上がった。

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