第40話

雪花の一番のファンはこの人じゃないかというほど、雪花のことが大好きだったりする。



「……でも、私まで出るのは、どうかと。」


「そこは大丈夫。冬さんは写さないという条件を出してあるから。」


「……。」



雪花として、雀がどんな形であれ有名になるのはいいことなのかもしれない。だけどそれを私の存在が引っ張るようであったらダメだと思う。



私の年齢もそうだけど、高校に行きながら両親の元を離れて雀と住んでいるのも不自然だし、なによりあの事が世間に広まったら作家の雪花には大打撃だ。



秋穂さんの話は雪花にとっていい話なのかもしれないけど、その仕事を受けるのなら……



「その仕事、私の存在は一切抜きでやった方がいいと思います。」


「え?」



正直、好奇の目で見たとしたら、私の存在は雀にとってマイナスにしかならない。



それに、あの画像がもし出回ったとしたら、綺麗なイメージしかない雪花には大ダメージだろう。



きっかけは私だった小説。だけどそれを私が終わらせるわけにはいかない。



「私は、雀の努力を知っています。」




執筆中は集中しすぎて豹変してしまうような人。

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