第28話

「……ごめんなさい。」



これ以上、光彦くんの顔を見ていることができなくて、目を伏せて手元のコーヒーカップを見つめた。



「別に謝ってほしいんじゃないよ。」



返ってきた言葉は、とても優しい。だからこそ、私の罪悪感は大きくなるばかりだ。



「考えてごらん。冬ちゃんってショックなことがあるとご飯をあまり食べなくなる。そのせいで痩せることが多いんじゃない?」



思わず目を上げた。少しだけ首を傾けて、私に同意を求めてみせる光彦くんの言葉に、小さく頷いた。



確かに、ご飯を食べれなくて痩せる時期もある。だけどそれは、本当に微々たるものだ。



私は甘い物が大好きだし、間食もする。ご飯もしっかり食べる方だから、体重なんてすぐに戻ってしまう。



だから周りに気付かれることはあまりない。光彦くんみたいに体形を見るプロなら別だろうけど。




「だけど今の冬ちゃんは、前見た時と変わらない。それってなんでだろうね?」



光彦くんの言いたいことが分からなかった。そうなるほど、ショックじゃないって言いたいの?いやでも、最近私はあまりご飯を食べれていないと思う。



根本的に食欲が沸かないから、食べる必要性を感じないんだ。

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