第29話
雀の料理なら少しは手を付ける。だけど外食になると別だ。どれを見ても美味しそうだと思わないし、食べたとしても味が分からない。
言われてみれば、量的にはそんなに食べていないのに、光彦くんから言えば私の体形は変わらないらしい。
……それって問題じゃないの?食べてないのに痩せないなんて。それはそれでショックだ。
「うん。遠まわしすぎたか。」
苦笑した光彦くんは、自分のスマホを取り出して机の上に滑らせた。見せられた画面にはあの画像。
「……自分を待ち受けにしてるの?」
「いや、気に入っちゃって。」
噴き出しそうになった。ウケ狙いの画像だと思ってたのに、まさか自分でも待ち受けにしてたなんて。
「それはいいんだよ。これ。」
どうやら結構恥ずかしかったらしい。頬をかく光彦くんは画面のアイコンをタップした。
何度か操作を繰り返す内、雀の名前が見える。そこをタップして画面に広がったそこには、メッセージがたくさん繰り返されている。
どうやら、光彦くんと雀のやりとりのようだった。
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