第18話
雀が迎えに来てくれたあの日から、私は学校のみんなからより好奇の目で見られるようになった。
雀が誰なのか、なんで泣いてたのか、興味は尽きないらしい。
「もう、いいです。」
そう言えば、篠塚先生は悲しそうに目を伏せる。それじゃまるで、私が聞き分けのない最低な生徒みたいだ。
でも、篠塚先生の魂胆は分かっていた。
私はまだ、水泳部顧問の間宮先生と面談していない。何度も断っている。そうする根拠もある。
だって絶対に、あの先生は、私を信じてくれるはずがない。水泳部の顧問をしているなら、要はあの2人を私よりよく知っているということ。
自分が面倒を見ている生徒と、ほぼ面識のない私。証拠のないことでどちらの意見を信じるかなんて、火を見るよりも明らかなことだ。
要するに、無駄。会えば私はきっと、無駄に傷つけられる。
もうこれ以上、傷つきたくはない。これ以上自分を最低だと罵りたくはない。そしてこれ以上、人を嫌いになりたくはなかった。
篠塚先生はこうして、何度も私を訪ねては間宮先生に会えとアドバイスしてくる。
要はこのことをすっきり終わらせて自分が楽になりたいんだ。
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