第17話
「春田!」
なのに”現実”は、私を叩きのめそうと、牙を向く。
休み時間だというのに、篠塚先生も大変だな。スマホを手に持ったまま、教室の出入り口に立つ先生を見つめた。
手招きする先生は、数日に1度、私を呼びに来る。話がしたいというのだ。相談に乗ると。
失笑すら漏れる。私が悩みを吐露したところで、何が変わることもないというのに。
「はぁ、」
溜息を吐いて立ち上がれば、栗山さんが私を見上げている。そういえば、一緒にいたんだった。
心配そうに見つめるその視線すら、今の私には鬱陶しく見える。どうせ私のために心配しているんじゃないんだから。そう疑えば、最後。
何も言わずに先生の前に立てば、目を見開かれた。そしてその目は残念そうに伏せられる。
毎回思うけれど、先生はいつも私を呼びつけておいて、どうしてがっかりするんだろう?
私の顔に何かついているのか。いや、毎回そうなんだから、私のどこかが悪いんだろう
私からはなにもしていないっていうのに、うんざりする。
「話、ちょっといいか。」
「またですか?」
必ず数日に1度、先生は昼休みに私を呼びに来る。まるでカウンセリングみたいだ。そのせいか生徒たちの間では、私は精神的におかしくなってることになっていた。
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