第51話
「知り合い?」
「そんな程度で家に入れるわけないじゃん。」
「恋人、」
「3人とも?それくらいならいけるけど……うわ、1人もないわ。」
3人同時に付き合うのはイケるんですね。
「家族、」
「血が繋がってるように見える?」
もう、レパートリー、ないんですけど。
無言で見つめ返す私を見ている雛は、なんだかいつもと違って見えた。
「どうした?」
「っっ、」
いつも通り嘘みたいに綺麗で、ナイスバディなのに、常に纏っているはずの自信オーラがない。
胸張って自分は自分、そう言えるのが雛なのに。今日はなんだか、寂しそうだ。
「平気?」
「……平気。」
そう言うけど、すぐにプイと顔を逸らす。雛は普段堂々としているせいか、隠すのが苦手だ。
まったく。全然平気じゃないくせに。
小さく溜息を吐いて、笑みが漏れた。
「なによ。」
殺すぞとばかりに睨みつけてくる雛。それにいつもの恐さはない。
ほんとに、いつもの雛らしくない。とりあえず、頭を撫でてみた。
「殺すわよ。」
「すみません。」
弱々しさ?気のせいでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます