第51話

「知り合い?」


「そんな程度で家に入れるわけないじゃん。」


「恋人、」


「3人とも?それくらいならいけるけど……うわ、1人もないわ。」




3人同時に付き合うのはイケるんですね。



「家族、」


「血が繋がってるように見える?」



もう、レパートリー、ないんですけど。



無言で見つめ返す私を見ている雛は、なんだかいつもと違って見えた。



「どうした?」


「っっ、」



いつも通り嘘みたいに綺麗で、ナイスバディなのに、常に纏っているはずの自信オーラがない。



胸張って自分は自分、そう言えるのが雛なのに。今日はなんだか、寂しそうだ。



「平気?」


「……平気。」



そう言うけど、すぐにプイと顔を逸らす。雛は普段堂々としているせいか、隠すのが苦手だ。



まったく。全然平気じゃないくせに。



小さく溜息を吐いて、笑みが漏れた。



「なによ。」



殺すぞとばかりに睨みつけてくる雛。それにいつもの恐さはない。


ほんとに、いつもの雛らしくない。とりあえず、頭を撫でてみた。



「殺すわよ。」


「すみません。」



弱々しさ?気のせいでした。

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