第50話
side 琴葉
翌日。私は雛の家のゲストルームの扉の前にいた。
緊張でほぼ記憶にないけど、学校にはちゃんと行った。今日は金曜日だ。お母さんに必死で頼み込んで、週末雛の家に泊まる許可をもらった。
『正直助かる。』
部活の顧問をしているお母さんは意外にもそう言って笑顔で。その機嫌の良さが逆に怖い。
そして、私服に着替えて、2日分の着替えを持って今、私は、運命の扉を……
「早く開けなさいよ。」
「ヒイッ!」
耳元で響いた低音の発信源は、今日1日不機嫌だった雛様だ。
私が宿題を変わりにするし、正直昨日の居残りも私がいたおかげ。迷惑はかけているけど、それなりの見返りはあげてるんだけどな。
「乙女の邪魔をすんじゃねえよ雛。可愛いなぁ、俺の彼女にならねえ?」
「だめだよ大雅。お気に入りちゃんはあれのもの。」
「そんなことより飲もうぜ雛!俺に付き合えるのはお前しかいねえ!」
「「……。」」
まだいたのか、3馬鹿。
どうやら強面は大雅という名前らしい。顔の通り、勇ましい……。
「あの人たち、友達?」
「違う。」
私に壁ドンをしたままの雛に聞いてみるけど、納得のいく返答じゃない。
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