第47話
「……うるさいわよ。」
俺を童貞だとディスる陸人がムカついて一蹴り入れたところへ、雛が客間から姿を現した。
「いててて、雛、酷くない?大雅が蹴った!」
「小学生か。」
陸人が言いつけたのを一蹴すると、雛は俺の隣に乱暴に腰を下ろす。
その顔は不機嫌そのもの。あの狼に何を言われたのやら。
「どうした?不機嫌だな。」
雛はいつも不機嫌に見られがちだが、それは普段つまらないから無表情なだけだ。だからここまで”ちゃんと”不機嫌なのは珍しい。
「私に気付いた途端、あの女は?だって。」
「は?」
まさか、雛がアレに惚れたとかじゃないだろうな?
「おかしくない?2人揃って。いっぺんに一目惚れとかあるわけ?」
「ん~。俺はいつも一目惚れだけど?」
「……陸人、話がややこしくなるからやめろ。」
「え~。」
不満そうな陸人はなぜか素直にスマホを取り出していじりだした。……こいつでも空気を読むことがあるんだな。
「さぁな。運命の相手ならそうなるのかもな。」
運命の相手って奴に出会った時、お互いに何かを感じる、そんなことがあるのかもしれない。
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