第37話

『なんでもやるって言ったよね?』


「うん。」



だから、気付かなかったんだ。



『じゃぁ、やってもらおうじゃん。』


「へ?」



雛様の企みに、そしてニヤついた声音に。



『今年いっぱいの宿題。よろしく。』


「……それは、長期休暇も含まれますでしょうか?」


『当たり前でしょ。馬鹿なの?』


「いえ、すみません。」



宿題2倍?めんどくせー。



『あとアレの面倒はできるだけあんたが見てよ。』


「……門限内なら。」



それは当たり前なんだけど、ウチにはあの魔女が制定した門限という鉄の掟がある。



学校の用事以外で夜の7時を過ぎれば、首が飛ぶかも。なぜか首筋が寒くなった。



『高校生にもなって門限?ダセー。』


「だよね。それは私も不満だわ。」



雛は、詳しいことは分からないけど高級マンションに1人で住んでいる。もちろん門限なんてなくて、夜な夜な遊び歩いている。



だけどちゃんと、学校には来る。奔放に見えるけどちゃんとすべきところはちゃんとしてるんだ。



家の事情は分からないけど、門限がないなんて羨ましい。だけど家族のいない家に帰るのは、少し寂しいんじゃないかな。そう思う。

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