第33話

でももうかなり時間が経ってるし、奴らはもう移動してるはず。悠長に風呂とか入ってた自分が悔やまれる。



平和ボケか。親友のピンチに。



~~~、~~、~~~、



頭を抱えていたその時、スマホが鳴る。着信音は通常のもの。つまりお母さん以外の人だ。


急いでそれを取って画面を見れば【雛】の文字。



「っっ、もしもしっ。」


『なに。なんか用?』



おおっ。相変わらずのクソっぷり!これを待ってた!



「無事!?」


『ああ、急所は外れてるって。』


「ええ!?」


まさか、雛たちもそんな重症なわけ!?やっぱり、私が置いて行ったからっ。



「ごごごご、ごめん。で、雛の傷は?お嫁に行けない?どうしよう。私女だから責任取れないっ。」


『はぁ?』


「へ?雛たちもボコられたんじゃないの?」


『違うし。なんの話よ。あんた頭大丈夫。』



ああ、よかった。いつもの雛だ。



「別に、いいんです。こっちの話で。はい。」


『……で、あのイケメンなんだけど、『雛ぁ。気持ちよかったねぇ。』』



……今のは、ピアス陸人の声では?



『ちょっと陸人、抱き着かないでよ。熱い。』


『いいじゃん。一緒にお風呂入ったでしょ?』



……なんですと?

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