第30話

「へ?」


「だから、女の子。プロじゃない方の普通の子。」


「丁寧に見させていただきます。」




土下座をしてみせて満面の笑みを上げた大雅は、なぜか寝ているイケメンの額を優しく撫でた。



「じゃぁ、私シャワー浴びてくるわ。」


「どうぞー。」



スマホをいじる大雅を置いて、客間を後にする。そして入り込んだリビングには……



「雛。このワイン、もう一本ねぇ?」



飲んだくれる学と、



「雛~。これの5巻はどこ?」



私の漫画を読み漁る陸人が寛いでいる。



「お前ら、マジで帰れ。」



必要なのは大雅のみで、こいつらは逆にいない方がいい。陸人はうざいし、学はうちの酒類を全部飲み干してしまいそうだから。



「つめてー。氷の女だな。ん?氷といえばここ、良いウイスキーもあったよな。」


「……勝手にして。」


「5巻~。」



呆れの溜息を吐いてバスルームに入れば、なぜか陸人も入ってくる。だからといって気にはしないから、服を脱いでいく。



やっぱりお風呂沸かそうかな。今日は居残りがあって疲れたし。



下着だけになってメイク落としを手に取って、顔に塗っていく。

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