第27話
「お前なぁ。もうちょっと可愛げを学べよ。さっきの子、なんだっけ、素直そう。あれくらいになれ。な?そしたら俺の女にしてやってもいい。」
「大雅(たいが)の顔怖いから嫌。」
「は?」
とりあえず、分かるのは。この男をこのままここに放置して帰ったら琴葉がブチ切れるということだ。
別にあいつが怒ろうが知ったこっちゃないけど、怒った琴葉の嫌がらせはねちっこい。
消しゴム隠したり、スマホの画面に手あかを付けたり。
だけど、私が何をしたってあいつは、そんな小学生みたいな嫌がらせだけで満足してしまう。絶交でもして縁を切れば手っ取り早いのに、絶対にそれをしない稀有な奴だ。
だから。しょうがない。
「ちょっと。」
大雅が落ち込んでいるのを指さして笑う学と陸人にスマホを向けた。
「コレ。私の家に運んで。」
「俺、色々触ってもいい?」
陸人が首を傾げる。可愛いことこの上ないけど、こいつは危険だ。陸人は男も女も、どっちもいける。とりあえず自分が性の対象だと見れれば、その辺のおっさんでも声をかける雑食だ。
「だめ。これは琴葉の予約品。大雅が変わりにやってよ。」
「あ?俺顔が怖いから嫌だ。」
うじうじ根に持っているらしい大雅。ほんとに怖いんだからしょうがなくない?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます