第24話

「おっ、次俺。」



彼の足を乱暴に離したタトゥー学が並ぶつもりなのかピアス陸人の足元に走り寄る。



「ずりーぞお前!……俺も。」



強面も彼の上半身を台車に放ると、ポケットに手を突っ込んで小走りで並んだ。



「なにこれ。」


「あー、気持ちいい~。」



ピアス陸人が寛ぐ中、タトゥー学がタバコに火を点ける。



「早くしろよ。」



その後ろから強面が催促していて。



「雛、あんたの連れ、やばくない?」


「ん~?そう?」



さっきからこちらを見ようともしない雛がスマホをいじりながらそう答えた。



なんだこいつら、マジで。



死体に囲まれ、謎の不良共が私の膝枕待ち。意味不明すぎる。しかも助けなくちゃいけない彼は台車の上で物凄い態勢で倒れてるし。



なんなのほんと。そう思った時だった。



~~~、~~、~~~、



「やべっ。」



私のスマホが着信を知らせる。相手は、お母さん。



一番めんどくせー相手だから映画の有名な悪役の登場シーンを着信音にしてる。だから聞いただけで分かっちゃう。



これは、私の帰りが遅いからかけてきたに違いない。




「シー!」


「しー。」



人差し指を立てたら、ピアス陸人が楽しそうに真似をする。

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