第23話

「もしもし!聞こえますか!」


「だから~、なんでもしもしなの?電話じゃなくない?」


「うるさいよピアス!呼びかける言葉がそれ以外思いつかなかったの!」


「あ、確かにぃ。俺も思いつかない。ふふっ、一緒だねぇ。」


「……。」



人には体内時計なるものが備わっている。だから時間の早さを感じるのは人それぞれ。人には、人のペースってもんがあるさ。そういう私も人にペースを乱されるのは我慢できないたちだし。



だけど、それにしても。



「ピアス、ちょっと色々狂うから黙ってて。」


「うん。分かった~。」



ピアスが、面倒だ。



「なーにしてんのお前ら。おい学、運ぶの手伝えよ。」


「えー、面倒だなー。」



嫌そうなタトゥー学と強面さんが近付いてきたと思ったら、太ももの上の重みが一気になくなった。



「このイケメン、乙女の膝枕でいい思いしやがって。」


「お前モテねえもんなー。ウケる。」


「ウケてんじゃねえよ。」



言い合っている2人が軽々と彼を台車に乗せるのを、見ていた。



「あー確かに。いい気持ち~。」


「はっ?」



するとまた、太ももに重みが。見ればピアス陸人がなぜか私の太ももに頭を乗せていた。

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