第22話
「ちょ、これ、死んだ!絶対死んだし!」
「雛の特別ちゃん、人間ってのはね、そんな簡単に死なないんだよー。」
「そんなの私に分かるわけないでしょ。喧嘩なんて見たのも初めてだし!」
言い返すと、ピアス陸人が目を見開いた。あれ、もしかして余計なこと言った?なんか、図々しかったかな。初対面だし。
一瞬、そんなことを思った。一瞬だけど。
「ふひっ、さすが雛の特別ちゃん。可愛い~。」
「……。」
結局、そんなことはなかったんだけど。それにしても、ピアス、黙ってれば滅茶苦茶イケメンなのに。なんていうの、お色気系?色気駄々洩れって感じ。
だけど時折チラチラ見える舌ピアスで締めるっていうか、勘違いすんなよと言われている感じだ。
ていうか……
「雛の特別ちゃん?」
「そうだよー。」
ふふふ、と口元を隠して笑う仕草が妙に艶っぽくて、思わず見とれてしまいそうだ。私の前にヤンキー座りでしゃがんだピアスは「どうしようかなー?」なんて言いながらニヤついている。
いや、マジで、こいつ頭大丈夫か?
「……ぅ、」
「あっ、」
やべえもんを見ていると、膝の上の彼がうめき声をあげる。
「もしもし!大丈夫?」
「なんでもしもしなの?」
ピアスがいちいち聞いてきてうざい!それどころじゃないから!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます