第22話

「ちょ、これ、死んだ!絶対死んだし!」


「雛の特別ちゃん、人間ってのはね、そんな簡単に死なないんだよー。」


「そんなの私に分かるわけないでしょ。喧嘩なんて見たのも初めてだし!」



言い返すと、ピアス陸人が目を見開いた。あれ、もしかして余計なこと言った?なんか、図々しかったかな。初対面だし。


一瞬、そんなことを思った。一瞬だけど。



「ふひっ、さすが雛の特別ちゃん。可愛い~。」


「……。」



結局、そんなことはなかったんだけど。それにしても、ピアス、黙ってれば滅茶苦茶イケメンなのに。なんていうの、お色気系?色気駄々洩れって感じ。



だけど時折チラチラ見える舌ピアスで締めるっていうか、勘違いすんなよと言われている感じだ。



ていうか……



「雛の特別ちゃん?」


「そうだよー。」



ふふふ、と口元を隠して笑う仕草が妙に艶っぽくて、思わず見とれてしまいそうだ。私の前にヤンキー座りでしゃがんだピアスは「どうしようかなー?」なんて言いながらニヤついている。



いや、マジで、こいつ頭大丈夫か?



「……ぅ、」


「あっ、」



やべえもんを見ていると、膝の上の彼がうめき声をあげる。



「もしもし!大丈夫?」


「なんでもしもしなの?」



ピアスがいちいち聞いてきてうざい!それどころじゃないから!

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