第20話
「通報、考えた方がいいかも。」
スマホを取り出して最悪を覚悟した時だった。
「琴葉ぁ、待った~?」
雛の緩い声が聞こえて、ホッと息をついた。だけどすぐさま振り返ったことを後悔する。
私的には、雛が1人で台車的な運ぶなにかを持ってきてもらえればよかったんだけど。いや、奇跡なのか雛はちゃんと台車を押している。ほらよく、工場とかで荷物を運ぶあれね。
問題は、おまけだ。
「おーおー、死体だらけ。」
「ほんとだ。きっも。」
「しかも狼だらけじゃん。別々の群れが群れてるの初めてみたし。」
明らかに一般人らしくないオーラを纏った3人の男が一緒。ていうかその内の1人はさっき校門で雛の送迎をしていた奴だ。
3人とも、私服だろう格好ではあるけど、なんとなく普通っぽくないオーラを持っている。
1人はショートで側面を刈り上げていて、ワックスで軽くかき上げている感じ。好青年って雰囲気だけど首元にがっつりタトゥーが彫ってある。
1人は少し長めの前髪を横に流した、所謂好青年風。舌にピアスがなければ。
そして雛を送っていた最後の1人は、ごく普通のショートの髪に、ピアスも空いてなければタトゥーもない。一番普通っぽいのになぜだろう。イケメンではあるんだけど……表情が無駄に険しい。
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