第17話

喧嘩自体警察に行けば何かしら面倒だろうけど、散らばってる死体の風貌がなんとなく、一般人のそれとは違う感じだし。ここはこのイケメンの為にも内密にしてあげたいところ。



『なにそれ。あんた大丈夫なの?』


「雛のくせに私の心配してくれんの?」


『そりゃ、あんた私の……なんでもないし。』




ツンデレ雛のデレはかなり貴重だけど、今は緊急事態なわけだからスルーするしかない。くそ、勿体ない。基本私には悪態ばかりのこいつがデレるのは次は何年先になるやら。



「恋。」


『は?』



でもここは、雛のデレよりも大事。



「恋なら、何がなんでも動いてあげたいって、思うじゃん。」


『……琴葉。』



恋じゃないかもしれない。なんせこの男、見た目が良すぎる。だけどもし、これが恋なら。



この人を救ってあげたい。そう思うんだ。



『なにそれ。お前いつからポエマーになったの?』


「ほっとけ。」




天下の雛様には最上級で馬鹿にされておりますけれども。




『はぁ。場所は?』


「学校の近くの公園。」



それを言った途端、通話は即時切られた。



「なんか、あんだろ。」



バイバイとか、即行くとか、行かないとか、通話の終わらせ方、あんだろ。

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