第14話

ぶつぶつ文句を言いながらも、道の暗さに怯える自分をなんとか誤魔化す。



見慣れた道がやたら暗いとか、全然知らない道より意外性の分怖く感じる気がする。しかももうすぐ公園。繁華街とかが近いせいかこの時間は入っちゃだめだって学校に禁止されているそこは、健全な高校生の私にとっては十分警戒してしまうスポットだ。




つっても出入り口の前を通るだけだけど。入る理由もないし。



いつもなら公園の中すら覗かない。だけど街灯のみのこの公園の曖昧な明るさのせいか、今日は少し特別感があるせいなのかは分からない。



今日はなんとなく、公園の中へと視線を向けた。




「げ。」



のがいけなかったんだけど。



街灯のぼんやりとした灯りの下で散らばる死体。それは全部は数えることはできないけど、結構な数であることは分かる。



その死体に見える戦闘不能者たちのど真ん中に座っている人。



街灯の光が全てその人に当たっているんじゃ?と思うほど、その人の顔ははっきりと見えた。



パンチを食らったらしい横顔は口端が切れたり、頬が赤くなっている。暗がりの中、まぁまぁ距離は離れているのにそれが分かる私の視力は凄い。

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