第5話

「基本雛のおさがりだし。イケメンだと誰でもいいってわけじゃないし。」


「なにそれ。」



鼻で笑う雛に寄ってくるのは当たり前にイケメンばかり。この間までラブラブだった彼氏も読者モデルしてる先輩だったし。



「だからこう、運命の出会いっていうの?あるじゃんそんな奴。」


「ふはっ、なにそれ、曖昧過ぎる。」



ウケるを連発する雛に完全に馬鹿にされてるけど、私はやっぱり、運命的な出逢いをしてみたい。



別に白馬に乗った王子に迎えに来いって言ってるわけじゃないんだから、そんくらい夢見てもよくない?



「あー、春だというのに私だけがまだまだ冬ですよ。」


「ババくさ。」



そう吐き捨てた雛。君、私の友達だよね?雛は性格が悪い。しかも超ツンデレ。つってもほぼツンな奴なんだけど。そしてこの容姿だからもちろん女子受けは悪い。




女の子っていうのはズバッと言う人間は苦手に思う傾向にある。そこを考えるとなんでも器用にこなす私の友人は対人間関係になると不器用な面があるらしい。


……こいつの場合我慢できないだけな気がするけど。



「出逢いなんて待ってりゃいいじゃん。」


「それはモテ族の方だけに適用される能力ですよ。」


「なにそのモテ族って。」



ケタケタと声を挙げて笑う雛は、見てるだけなら可愛い。

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