第51話
想像しただけで笑えてきた。風邪で痩せるとかおもろいだろ。
「で?なにを悩んでるわけ?」
「ん?」
滝川が、穏やかな笑みを浮かべて俺を見る。
「何年親友やってると思ってんだ。お前の様子がおかしいのくらい分かってたさ。」
「……滝川。」
さすがに俺の様子がおかしいのはバレているだろうなとは思ってたが。
「親友とか。気持ちわりい言い方すんなよ。」
「なんでだよ!」
女とゲームのことしか考えてない滝川でも、いいとこあるんだな。不覚にも感動してる。
俺の照れ隠しに、滝川が笑みを深めた。なんかマジで親友って感じ。ガラじゃないよな。
「もう少ししたら、分かる。」
「はぁ?」
俺の返事に河合がどんなリアクションをするかで色々違ってくるだろうけど。
付き合えたとしてもフラれたとしても、それがはっきりした時点でこいつらにはきちんと言おうと思ってる。
「今言えよ気になるだろ。女か?それともゲームか?言ってみな?相談に乗ってやるから。」
「……お前。暇だからネタ探してるだけだろ。」
「それの何が悪い。」
こんなくそ野郎だけど、こいつなりに俺の心配をしてくれているのは確実だ。俺の存在なんて、女やゲームよりも比重は軽いけどな。
でも俺たちなんていつもそんなもんだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます