障害
第50話
と、返事をしようと思ったのはいいが。
「無理だ。」
「は?」
河合ゆずを、どう呼び出せばいい?
「……無理じゃね?」
「なんだお前。いつもにも増して変だぞ。」
「うるせえ。」
今日は妙に、滝川の間抜け顔が鼻につく。思いのほか河合ゆずとコンタクト取るのが難しくてイライラしてるからだろうか。
休み時間の河合は基本自席で本を読んでいることが多い。10分休みでさえ無駄にしたくないとばかりにこまごま読んでいる。
彼女が教室を出る時といえば移動教室とトイレくらい。それには全部白金未知がくっついてる。
まさか教室で堂々と呼び出すわけにはいかず、早くも俺の計画は頓挫しそうだ。
「あー。もう知らん。」
「は?」
そしていちいち俺の独り言に反応する滝川もむかつく。そして三菱はどこに行った?
「三菱は?」
「何言ってんだ。今日風邪で休んでんだろ。」
「マジで?」
「いやいや、今気づいたお前に言いてえわ。」
そういえば朝から静かだなとは思ってたが。俺たち3人組の盛り上げ担当がいないとここまで平和なのか。
休み時間にスマホからガチャ音が聞こえないだけでもだいぶ違うな。
「あいつ、大丈夫かな。」
「さぁな。夏風邪はきついっつうからな。今度学校来たら激やせしてたりして。」
「ふっ。」
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