第46話
「……正直にぶっちゃけてもいい?」
「え?ああ。」
河合ゆずに告白されてからずっと、俺の中でモヤモヤと巣くってたもの。
「正直、めんどくさいって思ってるでしょ。」
「は?」
だけどそのひどく残酷な言葉が、自分の中の欠けてた部分にしっくりとハマったのには驚いた。
「ごめん。気を悪くした?」
「……いや。」
EGGと学校だけで回っている俺の世界。それが何年続くかは分からないけど、これが普通で、俺の日常だ。
それを恋愛することによって乱されるという事実に、自分でもどこかそれを面倒だと感じていたのかもしれない。
「マジで、そうかも。」
黙り込むMAME。女からしたらひどい奴にしか見えないだろうな。
俺自身もそう思う。だけど自分から好きになったならまだしも、まだ気になる程度の女に告白されたからといって、自分のすべてを忘れてハマれるほど俺は、恋愛を重んじていないらしい。
「ひどいよな。」
うん、酷い。そう言われたくて自分がそう言ったことには気づいている。
「ううん。それとはちょっと違うかな。」
だけど、MAMEの返答は俺が望んだ言葉をくれなかった。
しばらく黙りこんだ後、MAME側から氷の鳴る音が聞こえた。のどを潤したMAMEは小さくため息を吐いた。
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