第35話

2人には、先生に呼び出されたと嘘をついた。滝川はまだ落ち込んでいるらしく、あっそで片付いたけど、三菱は何回も首を傾げていた。



意外と鋭いなあいつ。




とりあえず、邪魔な奴らはなんとか排除できた。これからが大変なわけだ。




河合ゆずは、クラスに残っていて欲しいと言っていた。自分は真っ先に帰ってたから、後から来るか、本当に帰ったかだろう。



まさかドッキリじゃないよな?こんなたちの悪い、小学生みたいなことしないよな?なんて、ハラハラしながら外を眺めて過ごした。




いつも、なにかを待つ時はスマホをいじるのに。なぜか今は触れる気にもなれない。



意識、してるんだろうか。



そんなはずないのにな。




「ごめん、お待たせ。」



「っっ。」



突然声が沸いて出たと思った。今軽く5センチは飛び上がった気がする。




「びっくりした。」



「え。あ!ごめん!」




しまったとばかりに笑う河合ゆずは、相変わらず可愛かった。見た目はどストライク。性格も良くてクラスの人気者。頭もいいし、調理実習で作ってたハンバーグはやたら美味しそうで、料理もできるのかとあきれたほどだ。



そんな彼女と、放課後の教室で2人っきり。それだけでももはや、罰ゲームでもいいかと思ってしまう。

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