第35話
2人には、先生に呼び出されたと嘘をついた。滝川はまだ落ち込んでいるらしく、あっそで片付いたけど、三菱は何回も首を傾げていた。
意外と鋭いなあいつ。
とりあえず、邪魔な奴らはなんとか排除できた。これからが大変なわけだ。
河合ゆずは、クラスに残っていて欲しいと言っていた。自分は真っ先に帰ってたから、後から来るか、本当に帰ったかだろう。
まさかドッキリじゃないよな?こんなたちの悪い、小学生みたいなことしないよな?なんて、ハラハラしながら外を眺めて過ごした。
いつも、なにかを待つ時はスマホをいじるのに。なぜか今は触れる気にもなれない。
意識、してるんだろうか。
そんなはずないのにな。
「ごめん、お待たせ。」
「っっ。」
突然声が沸いて出たと思った。今軽く5センチは飛び上がった気がする。
「びっくりした。」
「え。あ!ごめん!」
しまったとばかりに笑う河合ゆずは、相変わらず可愛かった。見た目はどストライク。性格も良くてクラスの人気者。頭もいいし、調理実習で作ってたハンバーグはやたら美味しそうで、料理もできるのかとあきれたほどだ。
そんな彼女と、放課後の教室で2人っきり。それだけでももはや、罰ゲームでもいいかと思ってしまう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます