第34話
放課後までが地獄だった。結局トイレにも行きそびれて、俺の頭の中は河合ゆずでいっぱい。
告白か?
どうせ先生からの頼まれごととかそんなんだろ?
最悪罰ゲームってことも。
思い浮かぶのはほとんどが嫌なことで、絶対告白だ!なんて浮かれれるほど、俺はそんなに楽観的じゃなかった。
さすがに滝川と三菱にも相談できず、放課後が近づくにつれ、心臓は爆発しそうなほど高鳴った。
帰りのホームルーム後、ぼーっと教科書を鞄にしまっていると、誰かに肩を叩かれて確実に心臓が止まった。
「なんだよ、顔色悪いぞ?」
訝しげな表情でこっちを見るのはいつもの2人。これから一緒に帰る気満々らしく、しまったと内心顔をしかめた。
河合ゆずで頭がいっぱいで忘れてた。こいつら、どう誤魔化そうか。
俺の考えでは8割くらいの理由でしょーもない落ちだ。そう考えてるならこいつらにもさらっと河合ゆずに呼び出されてるって言っちまえばいい。
だけどもし!万が一!ってのも、無くなくはないだろ?
期待してるのとは全く違う結果だった場合恥をかきたくないばかりに、こいつらをどうにか帰さないといけない。
つまんねー男のプライド。だけど結構重要なもんだ。
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