第27話
MAMEがいる世界がアンリアル、河合ゆずがいる世界がリアル。
俺はリアルとアンリアル、どっちにも気になる女がいる。それって結構、頭の中は飽きないというか。
それが恋かと言われれば困るけど。だって2年前まで付き合ってた彼女に感じていたものを2人に感じているかといえば、そうじゃないから。
「お、そろそろ時間だな。行くぞ!」
「おー!」
町のど真ん中で拳を上げてる恥ずかしい兄弟を前に、俺と堂本さんは苦笑いを零した。
なんだか、この人に出会えただけでも今日来た意味があったな。それだけ堂本さんという人は魅力的な人だ。
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「はよ。」
「はよ。」
「……メシ、できてるってよ。」
そう言い残して、寝ぐせだらけの髪をくしゃりとかきながら滝川は部屋を出て行った。
寝ぼけた視界の中見えるのは、滝川らしさ抜群の部屋。
壁にはグラビアアイドルが惜しげもなく水着姿を晒してるし、棚にはずらりと漫画。部屋全体は眉を顰めるくらい散らかってるのに、自慢のゲーミングパソコンの周辺だけは気持ち悪いほど綺麗だ。
俺が寝ている滝川のベッドは、意外にも柔軟剤の匂いがして、滝川のお母さんが普段からまめに洗濯してくれてるんだろうことを匂わせる。
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