第18話
「じゃあ俺も採取するか。メシ食いながらやるから抜けるなー。」
「はーい。」
「ありがとうございました。」
---KURIさんとの接続が切れました。
どうやらKURIさんは、MATUがやらかしてると予想してVCに入ってくれていたらしい。
正直、そこまでする義理はないのに、あの人ってほんといい人だよな。
「助かった、ね。」
気まずそうにMAMEが言った。さすがのMAMEもMATUの自分勝手ぶりに困ってたんだろう。
「ああいう時は言っていいからな。くそ野郎って。」
「ふふっ、口が悪い。でも、私が役に立ってないのはほんとのことだし。」
「戦闘で役に立てなくても、別の分野で役に立てばいいだろ。それに採取は別に平日にやらなきゃいけないことでもないし。ゲームなんだからMAMEも楽しまなきゃ。」
「あ、うん。ありがと。」
ぽつりと言われた礼の言葉。やばい、マジで可愛くねえか?あーやっぱ、好きだなー、MAMEの声。
「NATI?」
MAMEの声で我に返った。きみの声にうっとりしてたんだよ、なんてキモイセリフ吐けるはずもなく、ただ気まずいだけ。
「そ、そういえば、俺もうすぐ試験なんだよな。」
「あ、私も。いつ?」
「3日から5日。」
「え!私も一緒。」
「そうなんだ。」
試験の日程が一緒と聞いて、ドキリとした。別にそんなの、珍しくないだろうに。
だけどまさか、同じ高校なんじゃね?なんて一瞬でも思ったのはなぜだろう。
しかも、浮かんだ顔は……。
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