第17話

「あ、俺、メシ。」


「りょうかーい。」




MATUが気まずくなったのか、それだけを言い残してVCを出て行った。心なしか、KURIさんがクスリと笑った気がする。



「はぁ。」


「なに。またMATUがやらかしてた?」


「あ、いや、はい。」


「ははは。ごめんなー?」




MATUとKURIさんは、このトライブに入る前からの知り合いらしい。別ゲーで知り合ってずっとタッグを組んでいたいわゆる戦友。



リアルでもオフ会みたいな感じで会ってるらしいし、住んでる場所も近いみたいだ。




別に、ゲーム以外でつながりがあるわけでもないのに、年齢のせいかMATUはKURIさんに頭が上がらない。



そしてKURIさんは、MATUの操縦の仕方をきちんと分かった上で行動している節がある。


さっきも、KURIさんが提案したらMATUが断れないのを分かった上で提案してくれたんだと思う。



「いや、KURIさんが謝ることじゃないっすよ。」


「うーん。一応付き合い長いしなー。今までのゲームとは違ってこれはチーム戦なんだから、協調性は学べって普段から言ってんだけどな。あいつ性格悪いから治んないわ。」




KURIさんがものすごい毒を吐いてる。しかもきっと笑顔で。俺もMAMEもなんて言ったらいいのか。でも、あいつが性格悪い、ってのには賛同するわ。

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