第16話

「みんななにやってんの?」


「MAMEはブリです。」


「へーなにすんのMAMEちゃん。」


「え、あの、トリケラトプス、なんですけど、弾を……。」



VCでも分かる。MAMEがMATUに気を使ってる。別にほっとけばいいのに。所詮ゲーム上でしか会わない関係なんだから、気まずくなりゃVCに入ってこなくなんだろ。



「弾?めっちゃあんじゃん。」



拠点の中の金庫の中を見て、KURIさんがそう言った。



「でも、すぐなくなるし。」


「まぁド平日でも敵は来るからなー。」



MATUの不満そうな声。だからってそれをMAMEに作らせる理由にはなんねえだろ。間延びしたKURIさんの声はなんとなくこの逆立った雰囲気を和らげてくれる。



そして。



「でもさ、高校生組はあまりインできないわけだから。別に週末の倍率高い時にまとめて作成で許してやることはできん?」



ゆるーく言ってんだけど、締めることは締める、この感じ。マジ大人だよな。



「あー、それは、まぁ、はい。」


「決まり。てことで、2人は週末はなるべく貢献してくれること。だいじょぶ?」



そしてKURIさんが相手なら、MATUのくそも逆らえない。



「了解です。」


「あ、ありがとうございます。」



ゲームキャラだけど、俺とMAMEは目を合わせて頷き合った気がした。

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