第15話

「次その木を焼いて炭にして。」




俺が答える間もなくMATUの命令。ほんとに、こいつ。



「MATUさん。弾作りは後で自分がやるんで。」


「なんで。MAMEの仕事だろ。」



それはお前が決めた仕事だろ。同じ高校生で時間が限られてるの分かってるくせに。弾は確かに必要なものだけど、量がいるだけあって作るのにかなり時間がかかる。



MAMEは初心者だ。だからこそ覚えることは他にたくさんあるわけで、弾作りももちろんやるべきだけど、今じゃないと俺は思う。




ただのゲーム。だけどチームを組んでいる以上、面倒なことはみんなで等分して、楽しいことはみんなで楽しめばいい。



だけどこのMATUだけはほんと。自分が楽しむことに他人を使うことをいとわないやつだ。




「おま、」


「はろー。」




イラついててインしたことに気づかなかった。



「おはようございますKURIさん!」


「おはようMAMEちゃん。」


「はよっす。」


「おはよ、MATU。」



今VCに入ってきたのはKURIさん。社会人の34歳。大体が俺たち高校生と同じくらいのイン率だ。



社会人やってる分常識的ですげー大人で人をまとめるのもうまい。なにより、この人がいるとMATUが暴言を吐かなくなるから最高だ。

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