第8話

仕事とかならまだしも、ゲームのうんちくを教えていい気になってるなんて。



滝川や三菱には死んでも知られたくはない。




「この柵の中に入れて放牧したら卵産むから。」


「了解です。」



MAMEのわくわくしてるような、可愛らしい弾んだ声を聴けるなら、やめれるわけないんだけど。




「あ!産んだ!」


「拾って。」


「わー、すごい!」


「はいはい。早くここに置いて。温めてふ化させるから。」


「はいはーい。」




何も知らないトライブメンバーは、このゲームでは嫌われる。ローカルプレイもあるんだから、ある程度は学んでから来いってわけだ。




オンラインで敵がいるこのモードは、特に。敵が攻めてきた時に対応できる能力がないやつは、ただ足を引っ張るだけだ。




だけど、初心者も受け入れて、ほのぼのやろうってトライブもある。うちはそっち寄り。KOKIさんを含め戦闘班のメンバーがやたら強いから、問題ないらしい。




---トライブメンバーのMATUさんがインしました。




「げ。」


「うん?」




今インしてきたMATUは、例外。俺たちと同じ高校生らしいけど、初心者や役に立たないやつはさっさと追い出せばいいのにとかよく言ってる嫌な奴だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る