第7話
「おはよー。」
「おはよ。」
耳から流れ込んでくる、少し高めの女の声。
「授業中考えてたんだけどさ、私そろそろブリーディングやってみたいんだよね。」
「え、いいじゃん。なにすんの?」
「トリケラトプス。」
「は?要らなくね?」
「えー、だって可愛いし。」
MAMEは、俺と同じ高校生の女だ。たまたま同じサーバーにインしてきた素人の彼女を手助けするうち、KOKIさんがトライブに勧誘したらどうかと薦めてくれた。
彼女はしばらく、まだ家もまともにできてなかった初心者らしくでかいうちの村を見てびっくりしっぱなしだった。
そんな彼女を案内しているうち、同じ高校生だということが分かって。
そのまま俺が、彼女のプレイを助けてる内、よくVCで話すようになった。
「別にいいんじゃね。トリケラなら簡単だし、初心者にはいいかも。」
「ほんと?」
「うん。なら、さっそくやるか。」
「お願いしまーす。」
「ん。」
俺もKOKIさんほどこのゲームに詳しいわけじゃないのに、初心者に毛が生えた程度のMAMEに比べれば先輩なわけで。
健気に俺の言うことを聞いて嬉しそうにはしゃいでいるMAMEを見てると、アホなことにすげーいい気分になる。
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