第6話
それに、この世界ではリアルは関係ない。
銃の腕前が抜群なら役に立つし、建設が上手ければ良い村を作るのに貢献できる。
ほとんどチャットだからかお互い、リアルの深い話はあまりしない。このEGGという世界の中では、共通の話題はEGGに関することばかりだ。
人間関係を考えなくていいから楽だと思っていた。
この世界での俺は関口夏生じゃなく、ただのNATIで、学生で平日の夜と休日にインしてくる、ただそれだけの存在。
建築より銃で敵を倒す方に長けてるのと、恐竜を交配させてもっと強い個体を作るのが好きなプレイヤーだ。
休日や敵が攻めてきた時だけ、他のトライブメンバーとVCをして、何気ない薄っぺらい会話を繰り返す。
ただそれだけで、俺の日常は退屈しなかった。プライベートな時間を全て使うくらいにはハマっている。
---トライブメンバーのMAMEさんがインしました。
「っっ、」
だけど、平凡なEGGでの生活。いずれこのままだったら、いつか飽きがくるだろう、その程度に思っていた。
そんな俺を、この世界にもっとのめりこませた張本人が今、インしてきた。
---トライブメンバーのMAMEさんがメンバーをパーティーに招待しました。
その文字を見るだけで、ドキドキする。それを抑えるようにヘッドホンをかけなおして、パーティー参加のボタンを押した。
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