第5話

この世界では、人と恐竜、そして動物が共存している。



まさに弱肉強食の世界だ。負けた生き物は死ぬ。それは人間でさえも。現実とは違うのは、人はベッドからリスポーンと呼ばれる復活ができるということだ。



死体からは色々なものが剥ぎ取れる。道具を使い叩けば、木だって採取できる。それらを組み合わせて、俺たち人間は村を作り、防衛したり時には他の村を責めたりする。




時間のかかるゲームだ。ゲームにインしている時間が長ければ長いほど有利になる。




たまに、トライブメンバーの誰一人インしていない時に敵が来て村がピンチになる時もある。



そんな時は自動銃や恐竜が対応するけど、結局、指示を出せるプレイヤーがいなければ、時間をかけて陥落させられてしまう。




要は、リアルできちんとした生活をしている人間にはオンラインでやっていくのはなかなかきついということだ。



だからか、俺たち学生や社会人で平日働きに出ているメンバーはKOKIさんのようなイン率の高い人には頭が上がらない。




この村を管理して守るのは、インしている人ばかりになるのはしょうがないことだ。




村を維持するにも、労力がいる。恐竜たちの餌、自動銃を動かすガソリンの補充。弾を使ってしまえば作らなくちゃいけない。



それに、恐竜を育てるのも一苦労だ。有名なトリケラトプス。こいつを育てるのにリアル時間で2日はかかる。



なんでこんなめんどくさいゲームをやってるんだと自分でも思う時がある。



だけど、弱かった恐竜がブリーディングを繰り返すにつれ強くなっていくのはすげー嬉しいし、攻めてきた敵を撃退できればもっと嬉しい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る