第39話

「てめぇみたいな腰振ってるだけのガキに聞いて、俺に意義があるとは思えねえ。」


「……。」


あれ、デジャヴかな?さっき聞いたことあるフレーズだな。



「その点鉄は、女に関してはお前より上だ。」


「若、どこからそんな根拠が?」



困惑顔の鉄。怖すぎてそうは見えないけど。涙目で睨みつければ、滅茶苦茶恐い苦笑いをお見舞いされた。



奏に信頼されてるからって調子に乗りやがって。あとで寝込み襲って顔に落書きでもしてやる。


……一瞬で絞め落とされそうだから下っ端使うけど。



「何を言ってる。お前の嫁、いるだろ。あれだ、あーさちこ?そんな名前だろ。」


「百合ですぜ若。」


「まぁ、いい、それだ。いいか、男の価値は連れてる女って言うだろ。見てみろ。あの女はゆいかほどじゃねえが、なかなかのタマだ。その点、隼人が連れてる女どもを見ろ。カスの集合体だろうが。」


「……偏見すごくない?つかひどくない?」



あれ、おかしいな。奏の俺への見下し感が凄い気がするんだけど。ゴミを見るようなこれ、同情すらされている気がする。



「大体、隼人が言うプレゼントなんて豪華なディナーとかアクセサリーとかその辺だろ?」


はい、その通りでございます。

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