第37話

しかも、奏だよ奏。


ただの手作りチョコに土地とかやろうとしてるような奴だよ?しかもやろうとしてる奴、まだ他の組の土地だし。


どう考えても組潰そうとしてるよね。


もはや暴君だよ、暴君。



そんな暴君そのものまでやろうとしてるわけだけど、こんな暴君いきなりもらってもゆいかちゃん困っちゃうよね。



女ってものは、プレゼントに関しては繊細だ。


ましてや、ゆいかちゃんだよ?


その辺のあばずれにやるのとはわけが違う。



極端に言えばその辺の女なんて、札束配っとけばいいわけで。


だけど金にも、アクセサリーにも、靡かない、ゆいかちゃんはそんな強敵な訳。



そんなゆいかちゃんへのプレゼントの相談を鉄にするなんて。



「俺なら、アドバイスできますよ?」


「がっ、」



ナンセンスだよね。


飛び切りの笑顔で、踏みしめて。意識が飛んだ組長を蹴って道を作った。



俺の真ん前の畳には、血とかついてて。キラキラと見えるそれはきっと、よだれとか鼻水の類。多分今、白目で仰向けになってるこの豚から出たものだと思うから、よけて奏の前に立った。



「ご用命は、私に。」


ひざまずいて、頭を下げた。女のことなら、俺だよね。

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