第20話

side 奏



「だって奏君の好みは俺が一番熟知してるし。」


「……。」


「キモ。」



俺たちの反応に、滅茶苦茶驚いているチャラ男。とりあえず……


「隼人。」


「は。」


「イタッ!」



隼人が望んでいることをさせてやった。



「いてー!なにすんだよ?」


「ふざけすぎなんだよお前。」


「……。」


これはこれで、どや顔の隼人がムカつく。



「弘人。」


「おっけー!」


「グフッ、」



弘人の素早い拳が、隼人の腹にめり込む。喧嘩両成敗で万事解決だ。



「続きを話せ。」



タバコにもう一本火を点けてそう言えば、なぜか疲労困憊のバカ2人。



「ちょっと待って。いいとこ入った。」


「もー俺の天才的な頭脳が削れてたらどうすんの?」


「……。」



バカの相手をした自分がわりい。というわけで携帯を取り出す。



苦い煙を挟み画面に映し出されているのは、可愛いゆいかの笑顔だ。


メールの画面を開けば、何を書けばいいやら……正直分からねえ。



「ゆいかちゃんのチョコフォンデュがけって打てばいいんだよ?」


「……。」


横からニヤついた声を出すのは……


「アウッ!」


「くたばれ。」


今俺に裏拳を食らわせられた、チャラ男だ。

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