第18話

「マジで消し飛ばしてぇ。」



奏の心の底から吐いたであろう悪態に、俺も無表情で頷いた。



「グズッ、ヴヴン、んんっ、あーあーあー、」



なんとか涙を拭った隼人は、発声練習のように声を出して……



「ところで、奏は、どんなチョコが、好みかな?」


「下手か。」「……。」



無言の奏とは違ってノリのいい俺は、華麗にスナップを利かせてツッコんであげよう。



「はぁ?お前なに言ってんの?」


お前が何を言ってるんだよっと言いたい!言いたいけど!



「俺が今すぐお前を晒す。」


「ヒッ、」


奏が”どう”晒すのかが気になるから口を噤んじゃいます。



わくわくするなぁ。裸でふ頭に晒す?それとも裸でイカぐるぐるマシーンに括り付ける?シンプルに裸で釣りでタイを釣るまで帰れないとかさ。


晒し方も、何千通りもあります。ご自由に!満面の笑みの俺。



「ゆっ、ゆいかちゃん!」



もう少しで襟首を掴まれそうな時。ムカつくことに隼人は”万能語”を使った。


「……ゆいかがどうした。」


「チッ、」



ほら。案の定奏が反応しちゃった。



助かったとばかりにため息を吐いた隼人は、わざわざ一旦、俺に嘲笑を向けて口を開いた。


……普通にムカつくんですけど。

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