第15話
「あ!」
バレた!とばかりに口を手で抑える弘人はマジで馬鹿野郎だ。
「はぁ~ん?お前、奏のチョコを着服か?カス野郎!」
「ち、違うって!は、ふ、は、は、」
「とりあえずキョドりすぎだ。」
そう言いながら煙草を取り出せば、弘人が素早くそれに火を点けた。動揺しながらもきちんと火を点けるあたり、こいつはどうしようもねえな。
「奏の下駄箱に入れたら嫌われちゃう~。お願い!弘人くぅ~ん。代わりに渡してぇ?うっふぅ~ん。ってセクシーな女の子たちに言われたらさ、そりゃ受けとるでしょ!」
今度はふんぞり返った弘人に、隼人も極寒の視線を向ける。
「……で?」
隼人の低い声に、弘人は満面の笑みだ。そこでどうしたら笑えるのか、こいつの頭を切り開いてみてみるのもいいな。
「奏に渡そうとしたら、『殺す。近づくなクズ。』って言われちゃって。思春期だよね~。」
艶のある目を俺に向け、ウインクまでしてみせたこいつを今の俺が殺したい。
「しょうがないから毎年持って帰って食べてました!まずいのは捨てた~。」
「クソだな。」
「カスだよね。」
弘人のカスっぷりなんて昔から知ってるが。ここまでくるともはやキモイ。
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