第12話
「あり得る?」
「奏は何も言ったことはないけど。」
私の返しに、真琴の”鬼っぷり”に拍車がかかる。あれ、おかしいな。節分はこの間終わったはずだけど。
鉄さんが用意した豆を奏が物凄い強さで隼人にぶつけてたはずだけど。
おそば、美味しかったな。
「聞いてますか?」
「申し訳ないです。」
ドアップのつけまつげが存在を主張する。真琴、ほんとに近いんです。
「好きな男にチョコをやらない女がどこにいますか?」
その質問に、自分を指差した。
「はい正解。ゆいかさんには20点差し上げます!」
「やった!」
「……って、ちがーう!」
ノリの良い真琴らしさに笑みが抑えきれない。
「私で遊んでるだろ。」
「あ、分かっちゃった?」
話が進まねえ。と口を尖らせる真琴は、可愛い動作とは違って目が血走っているから。
「はい、真面目に聞きます。」
「……よろしい。」
もう恐いから、話をきちんと聞くことにした。
「で?なんでチョコあげないの?」
「……。」
そう言われて考えた。
「やったことあるんじゃないの?」
「いや、知らねーよ。」
冷たい視線が刺さる。
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