第41話
彼女には申し訳無いが、この世界、いや、族にいたころからよく見る光景。
レイプという非道な行為は、何故こんなにも繰り返されるんだろうか。
女より力が勝っている男がやるこの行為。
未遂だろうが事後だろうが、これほど見ていて胸糞悪くなる事などない。
彼女の腫れた頬を見て眉を顰めた俺は、一歩前に出た。
「密人さんは?」
「ッッ、」
俺の声に肩を揺らした志保。
その事で漸く俺の存在に気付いたのかと、苦笑いが漏れた。
「あっちです。」
そう答えたのは、茉里。
彼女の目は濃い闇色に染まっていて、襲われた後だというのに冷静でいることに違和感を持った。
そんな彼女の表情に何故か再び姐さんを思い出す。
首を傾げた俺は取り敢えず、非常口へ向けて歩を進めた。
キイッ、
「密人さん?」
外へ出た俺の目に飛び込んできたのは、暗くなった繁華街のネオンに呼応する銀髪。
「・・・・ぁ、ゆる、」
そして最早誰かも分からない、血塗られた谷中だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます