七光り
第15話
「よくもまぁこんなに、”ヒヨコ”がたくさん入りましたねぇ?」
「・・・壮士さん。」
鬱陶しそうな壮士さんを呆れたように呼べば、
「すみませんね、つい本音が。」
なんて更に毒を吐かれた。
ずらりと並んだ新入りたち。
俺は今回同じ立場なのだが、壮士さんの隣で若の側近として彼らを眺めていた。
見知った顔もちらほら。
弓がホワイトタイガーから発掘したパンチ克也(かつや)
こいつは新城の傘下の組の息子で、既に冬夜付きになっているが今回顔だけを出しに来た。
そして武光と悟。
こいつらはどうやら、弓を諦めてはいないらしい。
そして彼女を見つめる内、彼女の人となりを知って、自分たちの愚かさを再認識したようだ。
壮士さんの言っていた【駒】
それに自らなるため、人生をかける決意をした。
ふと、感じた視線。
そちらへと目を向ければ、鋭い眼光でこちらを睨んでいる男。
ツンツンに立てられた金髪、着崩された背広。
キツネ顔のそいつは何故か俺と目が合うと、張り付けた様な笑みを浮かべた。
初対面のはずなのに、こいつから向けられたのは、”嫌悪”
舐められないようにイキって威嚇してくる血の気の多い者も多い。
こいつもその類だろうと、すぐに興味を失い、視線を外した。
だからそんな俺を見てそいつが悔しそうに顔を歪めていたのを俺は知らない。
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