第13話

「プライベートではいつもの通りでいいじゃねえか。」



「・・・・ああ。」



口角を上げた康祐に笑みを返した。



俺たちの【日常】は崩壊し、新たな【日常】へと変化する。



もの悲しさを感じるも、その変化は人間の成長には必要不可欠だ。



「一つ残念な事があんな。」


「なんだ?」



訝しげに首を捻る康祐に口角を上げた。



「護衛だったら夏流の買い物が長くても悪態がつけねえ。」


「ククッ、確かに。」



俺たちが笑いながらコーヒーをすすっていると、



カランカラン…、『いらっしゃいませ~。』



カフェの扉が開く。



「パフェ食べようパフェ。」


「は?チッ、しょうがねえな。付き合ってやる。」


「秋兄。ここは別に素直に言ってもよくねえ?」




やはりと言おうか。



弓が腕をからめて一緒に入って来た若を見て、内心溜息が漏れた。



甘党な若は外で自分が甘党だとバレたくないのか、仕方なさそうに溜息を吐いている。



それに素直になれと、普段一番素直じゃない冬夜に注意される光景は違和感ありまくりだ。


そんな俺の考えを他所に、一行は俺たちのテーブルへと歩を進めた。



若たちが近くまで来たところで俺と康祐は素早く立ち上がり、頭を下げる。



「「お疲れ様です!」」



「ああ。」



若の返事が聞こえ、俺が促したソファー側へ腰掛けるのを確認すると俺たちも元の席へと腰を下ろした。

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