第2話
倉庫内に拡がるのは、俺の引退を惜しむ”音”と、”先代”たちの話し声。
そんな中歩みを進める俺の特攻服が翻り、白虎は方々に睨みを利かせる。
”先代”たちが待機している場所には、この町を支配する者たちが揃っていた。
そんな中で、気付いた事。
「なんでお前がいる?」
「あら失礼ね。」
眉間に皺を寄せる夏流(なつる)が、苦笑いしている朔真(さくま)の隣に寄り添う様に座っていた。
新城家兄弟で来るのは若だけだと思っていたから。
春さんは新城家では珍しく不良じゃない高校生活を送っていたし、冬夜にもそんな気配はない。
目の前で不愉快そうにこちらを睨む夏流は俺と一緒にいるせいで姫だと認識されてるが、こいつは呼ばなければ来ない薄情な奴だ。
だからこその質問だった。
そんな俺の疑問を解決してくれるのはやはり、
「俺が行けっつったんだよ。一応こいつを高校3年間護ってもらったんだし。【姫】じゃねえけどな。」
そう吐き捨てた朔真だった。
「……特攻服似合いそうね。着てみる?」
そんな俺たちの会話を聞いていない夏流は艶のある目を朔真へと向ける。
「やぁね~。卑猥~。あ、今日は近所の奥さんいないんだったわ!」
「・・・・弓、最近それ好きだよな。」
”近所の奥さん”=冬夜がいない弓がボケるのに、口を尖らせた若の会話が聞こえた所で、漸く気付いた事。
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