第10話
決して小町とミルの付き合いが短いというわけではない。
ミルは、いつの間にかであるが、″昔から″自分と共に小町を支えてきた。
それであるのになぜだろう?今いるミルの場所が、自分のもののような気がしてならないのは。
自分は、気づかぬ内に傲慢になっていたのだろうか?
小町様からの寵愛を我が物のように思い、慢心したのだろうか?
それとも、自分がミルという人間を、″初めから″好きではない、そう感じたからなのだろうか。
紅茶を飲む小町とミルが、視線で会話している。
彼女たちの話題はこれだ。バイセンがこの部屋に入って来た瞬間、ミルは自らの力で今まで食べていた菓子や飲み物の類い、ゲーム機などを即座に消していた。
しかしそれが、なんということでしょう。ひとつだけ、消し忘れていたことに小町が先に気づいたのだ。
「ミル様。定例会には出ていただきませんと。それに、小町様へのお茶会の誘いも勝手に断っていると聞きましたが?」
「ああ、そんなこともあった、ような気がしますね。」
「っっ、そんなことって。」
苦い表情をするバイセン。目が泳ぐミル。そして、顔では平静を装っている小町の足は、少しずつその問題の物へと近づいている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます