第10話

決して小町とミルの付き合いが短いというわけではない。



ミルは、いつの間にかであるが、″昔から″自分と共に小町を支えてきた。



それであるのになぜだろう?今いるミルの場所が、自分のもののような気がしてならないのは。



自分は、気づかぬ内に傲慢になっていたのだろうか?



小町様からの寵愛を我が物のように思い、慢心したのだろうか?





それとも、自分がミルという人間を、″初めから″好きではない、そう感じたからなのだろうか。





紅茶を飲む小町とミルが、視線で会話している。



彼女たちの話題はこれだ。バイセンがこの部屋に入って来た瞬間、ミルは自らの力で今まで食べていた菓子や飲み物の類い、ゲーム機などを即座に消していた。



しかしそれが、なんということでしょう。ひとつだけ、消し忘れていたことに小町が先に気づいたのだ。




「ミル様。定例会には出ていただきませんと。それに、小町様へのお茶会の誘いも勝手に断っていると聞きましたが?」


「ああ、そんなこともあった、ような気がしますね。」



「っっ、そんなことって。」




苦い表情をするバイセン。目が泳ぐミル。そして、顔では平静を装っている小町の足は、少しずつその問題の物へと近づいている。

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