第6話
「うむ、どうにかせねばならん。このままではクリアできない。」
「ばーか。」
彼女の吐いた后妃候補としてあるまじき暴言。しかし、ミルの現在の状況を見ればそう言ってしまうのは当たり前のことだろう。
「しかしだな、お前が何も行動しないから退屈のあまりゲームにハマってしまったのだぞ。だからして、結局はお前が悪いということだ。小町よ。」
「なにその無理くり感。」
目を細める彼女の侮蔑を含んだまなざしをもまっすぐに見つめ返すミルは、ニヤリと口角を上げる。
「しかし、大丈夫なのだ。我は神ぞ。この辺をちょっといじくってやれば……ほうら、後半の後半、ほぼ最後の方で手に入れるくらいの秘宝が貰えるという寸法よ。」
「んん?どれどれ?」
ミルの言う自分の正体。それは彼女の頭がおかしいわけではなく、実は事実であったりする。
彼女はこのコーヒー王国を含む世界の創造神、つまり神様なのである。
小町がミルの持つゲーム機を覗き込む。その瞬間、侮蔑の表情が更に温度の低いものへと変わる。
「カジノじゃん。そんなの私でもいけるじゃん。よくある序盤のカジノで良い武器手に入れたった的なやつでしょ?」
「む。こ、これはっ、私が神であるからできた所業ぞ!」
「だから、その武器あんまり強くないし。最後どころか中盤後半くらいでもう使わなくなるわ。」
「な、なに!本当か!」
「前世でやったからね。放置でルーレットをどう回すか、色々考えたわー。懐かしい。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます