第6話

「うむ、どうにかせねばならん。このままではクリアできない。」


「ばーか。」




彼女の吐いた后妃候補としてあるまじき暴言。しかし、ミルの現在の状況を見ればそう言ってしまうのは当たり前のことだろう。




「しかしだな、お前が何も行動しないから退屈のあまりゲームにハマってしまったのだぞ。だからして、結局はお前が悪いということだ。小町よ。」


「なにその無理くり感。」




目を細める彼女の侮蔑を含んだまなざしをもまっすぐに見つめ返すミルは、ニヤリと口角を上げる。




「しかし、大丈夫なのだ。我は神ぞ。この辺をちょっといじくってやれば……ほうら、後半の後半、ほぼ最後の方で手に入れるくらいの秘宝が貰えるという寸法よ。」


「んん?どれどれ?」




ミルの言う自分の正体。それは彼女の頭がおかしいわけではなく、実は事実であったりする。


彼女はこのコーヒー王国を含む世界の創造神、つまり神様なのである。



小町がミルの持つゲーム機を覗き込む。その瞬間、侮蔑の表情が更に温度の低いものへと変わる。




「カジノじゃん。そんなの私でもいけるじゃん。よくある序盤のカジノで良い武器手に入れたった的なやつでしょ?」



「む。こ、これはっ、私が神であるからできた所業ぞ!」


「だから、その武器あんまり強くないし。最後どころか中盤後半くらいでもう使わなくなるわ。」


「な、なに!本当か!」


「前世でやったからね。放置でルーレットをどう回すか、色々考えたわー。懐かしい。」

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